現在私は2×4(ツーバイフォー)の賃貸併用住宅を新築で建て、家族3人で暮らしています。私達家族は2階に住み、1階2部屋を賃貸として貸し出しています。
1階を賃貸として貸している以上防音対策って必須事項で、入居者の退去にも関わる死活問題なんです。
そこで今回の記事では「2×4(ツーバイフォー)の防音対策に効果的な3つの方法」について紹介したいと思います!
目次
どんな音が問題なの?
音というのは空気や物体の振動です。室内で発生する音、特に騒音は大きく空気伝播音と床衝撃音に分けることができます。
空気伝播音
空気伝播音とは話し声やオーディオのスピーカーから聞こえてくるような音のことです。日常的に発生する室内の音の中で一番頻度が高いのがこの空気伝播音であると思います。
床衝撃音
床衝撃音は文字通り床の衝撃により聞こえてくる音のことです。大きく以下の2つに分けることができます。
重量衝撃音
重量衝撃音とは質量の大きい物体が床にぶつかった際に発生する音のことです。人の足音や子供が飛び跳ねた際に発生する音がこの重量衝撃音に当たります。
軽量衝撃音
軽量衝撃音とは質量の小さい物体が床にぶつかった際に発生する音のことです。硬いものを落としたり、椅子などを引きずった際に発生する音がこの軽量衝撃音に当たります。
2×4(ツーバイフォー)の防音対策を行うためには以上のような空気伝播音と床衝撃音を抑える工夫を行う必要があるのです。
2×4(ツーバイフォー)って音が響くの?
2×4(ツーバイフォー)は木造建築の工法の一つです。軽量鉄骨や鉄筋コンクリートの家と比較したら当然音は響きます。
また、インターネットで検索すると、もう一つの代表的な木造建築工法の1つである在来工法と比較しても音がよく響くという口コミや感想が非常に多いです。
私が実際に2×4(ツーバイフォー)の家に住んでみて感じることは、音はとてもよく響きます。
これは2×4(ツーバイフォー)の気密性が高いという構造上の特性といえるかもしれません。気密性が高いため、外の音はほとんど聞こえません。しかし、機密性が高い故室内での音はよく響いてしまうのです。
室内の音に関して、空気伝播音である話し声やオーディオの音はほとんど気になりません。むしろ空気伝播音の遮音性は在来よりも高い印象があります。おそらく1階の賃貸にもほとんど影響を与えていないと思います。
2×4(ツーバイフォー)の防音対策で問題になってくるのは床衝撃音である重量衝撃音と軽量衝撃音です。
この重量衝撃音と軽量衝撃音を抑えるために効果的な3つの方法を紹介したいと思います!
2×4(ツーバイフォー)の防音対策に効果的な3つの方法
①ユカテック
ユカテックとは旭化成建材の防音床下地材の事です。
2階、3階でのごく普通の生活行動が音を発生させ、下階で不快に響く音を床衝撃音といい、特に、歩行音や子供が椅子から飛び降りるような大きな衝撃音を重量床衝撃音といいます。
住んでみて初めて実感する木造系住宅の大きな問題です。ユカテック工法の床を実際の木造住宅で測定した例では、遮音等級LH(※1)-65等級程度の性能が得られました。(住宅金融支援機構(共同住宅)特記仕様書の構造条件時のデータ)これは、無対策の床のLH-80等級程度の性能を約15dBも音を低減したことになり、木造建築物の中では優れた遮音効果が得られる事を確認しています。ユカテックは在来軸組、ツーバイフォーの何れの工法でも、木造系住宅の新しい床構造を提案します。旭化成建材株式会社 HPより
このユカテックを建築時に施工する事により重量衝撃音を抑えることができます。
私達は2階の約65㎡の床全体にこのユカテックを敷きつめました。
施工時の写真がこちらになります。
この床一面に敷きつめられたコンクリートのようなパネルがユカテックです。
厚さは1枚あたり3〜4㎝程あります。約75万円かけてこのユカテックの施工工事を行ってもらいました。
実際に利用してみての感想は、木造では感じられないようなドッシリとした安心感が感じられます。
新築なので当たり前かもしれませんが床を踏んでもミシミシといった木造にありがちな感触は一切ありません。
ユカテックを使用しない場合との比較が出来ないので、正確には分かりませんが、このユカテックによりかなりの重量衝撃音が抑えられているように感じます。
※ただしコンクリートと比べたらその遮音性が落ちるのはしょうがないところです。実際に子供にドンドン2階の床を踏ませ、1階の賃貸に降りて確認してみましたが、やはりある程度音は響きます。
マンションのような遮音性というわけにはいかないのが現実です。
しかし実際に利用してみて、このユカテックは2×4(ツーバイフォー)の防音対策に非常に効果的であると実感しています。
②クッションフロア
賃貸併用住宅に住みはじめて、今一番後悔していることはクッションフロアにしなかった事です。
2×4(ツーバイフォー)の軽量衝撃音は予想以上に響きます。
これは実際に家を建てて住んでみるまで気づかない問題でした。
食器や少し大きめの固いオモチャなんかを落とそうものならカツーンと1階全体に響きわたります。
2階の床は無垢床に憧れていたので、リクシルの仕様の中からそれに近いものを選んでしまいました。
けれどクッションフロアって今は安くてカッコイイものがたくさん出ています。
例えばこんな感じです
すごくカッコイイですよね!
家のプランを考えているときには軽量衝撃音の事など一切頭になかったので、クッションフロアという選択肢はありませんでした。いつかリフォームの時期が来たら検討したいなと思っています。
現在の対策としては、キッチンや子供の遊び場のスペースにクッションマットをひいています。
こんな感じです。
このクッションマットの効果は絶大です!このマットを引いた場所は軽量衝撃音をほぼゼロに軽減することができます。
クッションフロアやクッションマットの他に、絨毯なんかも軽量衝撃音の防音対策として非常に効果的であると思います。
③1階の天井高を4mに
1階の賃貸の天井高は約4mとってあります。1部屋当たりの大きさは約12畳で、ロフトの高さを建築基準ギリギリの140㎝とり、ワンルームとしてはかなり大きなつくりにしてあります。
4mの高さって本当に開放感あってノンストレスです!
これだけ天井高を確保していれば、同じ強さの床衝撃音であったとしても感じ方は全く違うはずです。
天井高を高く取ることは2×4(ツーバイフォー)の防音対策として非常に効果的です。
まとめ
2×4(ツーバイフォー)の防音対策に効果的な3つの方法についてまとめましたが、1番大切なことは周囲のことを考えて生活することです。これは大なり小なりどんな家に住んだって同じことだと思います。
もちろん過剰になりすぎる必要はないと思いますが、人のことを考えて生活することが何よりも防音対策につながります。
アパートを建てる場合には入居者を選ぶことはできませんが、部屋を大切に使いたいと思わせるような雰囲気の家をつくることは可能です。そんな雰囲気の家をつくることができれば、人の事を考えて生活してくれる入居者が入る確率は高くなると思います。
これから2×4(ツーバイフォー)の戸建てやアパートを建てる方は是非参考にしてみてください!